長く住み慣れた土地から近隣への住み替えである。
オイルペイントを一切使用せず、無垢材と化粧板、珪藻土にて仕上
げた和風の住宅である。床、壁、天井に種類の異なる木材を使用す
るため、ちぐはぐになって全体の統一感が損なわれないよう、材料
の使い方に注意を払った。
居間と和室は続きの間であるが、障子と引戸との開け閉めで空間を
分けられるようにした。また、天井の高さや仕上げに変化を加える
ことで、より広々とした空間になるよう努めた。飼い犬のスペース
の床にのみ貼ったタイルがワンポイントとなっている。
階段の下は収納として利用、空調機も各階に1台、と余計なものを
省いたシンプルな暮らしの良さを再認識した計画であった。
撮影:新澤一平